2018年5月21日に、freeeはAI月次監査という機能を公表しました。 当面はアドバイザーの皆様限定の機能として、試算表の確認・修正作業をAIが支援する仕組みです(詳細は次回連載でも取り上げます)。是非お試しください


さて、freeeでは半年に一度「成長目標」を作成し自身のマネージャー(freeeではメンバーの活躍を支える存在でありたい、という意思を込めてジャーマネと呼びます)と合意します。

いわば、半年後の自分の姿に関する宣誓です。


私のマネージャーはCOOの東後ですが、彼と議論の中で「自分の価値に集中できる/やらないことを決めて任せる」という目標を掲げました。

ついつい何でも自分でやりたくなってしまう、でもそうすると自分がfreeeという会社の中で本当になすべきことができない/質が落ちてしまう。そのような課題を改めて解消したい、と考えました。

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前回は付加価値アップを実現されている認定アドバイザー様の事例をご紹介いたしました。今回と次回は改めて、具体的に「効率の向上」について深堀りしていきます。


仮に「顧問先様に向き合う時間」以外の時間を敢えて「ムダ」と定義すると(厳密にいうとムダではない時間もあります)、「ムダ」には4種類があります。



いかがでしょうか?アドバイザー様ごとに「これが課題だよ」と思われるポイントは異なると思います。そして、「これが課題だ」と思われたことはすぐにでも着手されたほうがいいと考えています。

そこには3つの理由があります。

①装置産業ではない士業ではスモールスタートが比較的簡単にできる
②提供サービスの性質上、保守的な人が多く変革に時間がかかる
③年末調整/確定申告や算定基礎/ 年度更新などの繁忙期があるため、チャレンジできる期間が短い

そして、課題解決のツールは既に世の中に出回っています。



freeeだけを例にとってみても、「ムダ」を解決する手法はこの数年で劇的に進化しています。



機能 概要 解決する課題
 クラウド会計freee 
 人事労務freee 全体 
クラウド上でサービス提供 移動時間
伝達時間
自動で経理 インターネットバンキングや
クレジットカードの明細を取込み、自動仕訳
収集時間
転記作業
ファイルボックス 証憑の電子化 移動時間
コメント機能 freee上で取引内容の確認等のやりとり 伝達時間
見積書・請求書・納品書 請求書の情報から債権管理と
会計処理まで実施
転記作業
プラン移行を告知
経費精算 社員が経費精算作業をすると自動仕訳 伝達時間
転記作業
連続取引登録 電子化された証憑から半自動仕訳 転記作業
通帳データ化サービス 通帳の電子明細化 収集時間
領収書データ化サービス 領収書の電子明細化 収集時間



これら一連のサービスを全体的に活用することで劇的に効率をあげることもできるようになってきました。
例えば小規模な会計事務所様でも、疑似的な製販分離体制を構築することができます。

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全体を俯瞰してみると「自動化」とは「機械に外注すること」であり、外注可能領域が拡大していく中で、自社の業務から外注を始めるか、という業務設計力が重要であると考えています。

外注の究極の姿は「記帳代行」「自計」ではなく、「無計」という世界です。


アドバイザーの皆様も「何が自社のコアバリュー(付加値の中心)なのか」「事務所業務をどう設計するのか、何を外注するのか」を一度振り返られてはいかがでしょうか?


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